こんにちは ないしは こんばんは 臆病者のkatsuです。
今回は、新感覚の青春ゴルフマンガである『グリーングリーングリーンズ』を紹介します!
作品について
作品概要
『グリーングリーングリーンズ』は、寺坂研人先生によるゴルフをテーマにした青春マンガです。『週刊少年ジャンプ』にて2023年第52号〜2024年第28号まで連載されました。
コミックス全3巻。全26話。
あらすじ
「所詮」
才能や体格に恵まれながらも、所詮上には上がいると諦め、特にやりたいこともなく、ぼんやりと高校生活を送っていた八枝崎珀(やえさきはく)。
周りの友達が、医者にプロ野球選手にと将来に向けて真っすぐ歩み始めたことに温度差も感じ始めたとき転機が訪れる…。
人生をかけてゴルフのプロを目指す王賀撫子(おうがなでしこ)と出会い、彼女の情熱に触発されて珀はゴルフクラブを手に取ることに…
ただ当てるだけ…と思っていたゴルフの、1球当てる難しさを痛感するとともに空虚な自身と向き合っていく…。
ようやくしっかりと当たった1球に嬉しさを覚えるも、周りからすれば普通だと思い留まるが、この1球が忘れられず…気付いたらのめり込んでいくっ…!!
『グリーングリーングリーンズ』の魅力について
ゴルフという題材を「青春」として昇華した構成力
『グリーングリーングリーンズ』最大の特徴は、ゴルフというやや地味な題材を、まるで部活スポーツマンガのような「熱」と「勢い」で描き出した点にあります!
主人公の珀を「ただの未経験者」に留めず、諦めと空虚を前面に出したキャラにすることで、ゴルフの世界に惹かれ、奥深さに目覚めていく過程に、精神的成長をより際立たせています!
そんな彼を中心に据えることで、出会っていく仲間たちのキャラもより魅力的に映っています。
ただの「テクニック紹介マンガ」にはせず、精神的な成長やスポーツの楽しさ、人との関わりといった“青春群像”の要素をきちんと組み込んだことで、「スポーツもの」としての爽快感がしっかり生み出されていますねっ!!
主人公の視点で描く“ゼロからの成長”のリアリティ
スポーツマンガで特に難しいのが、未経験者を主人公に据えながら「読み応え」を持たせること…。
主人公・珀はゴルフに対する誤解や初心者ならではの無知をさらけ出すキャラクターであり、多くのゴルフ未経験読者と同じ目線に立ってくれます。それが物語にとって非常に重要な視点になっていると思います!
読者と同じ目線で「なぜこれが難しいのか」「どうすれば飛ぶのか」を理解していく展開は、技術と感情がリンクする良質な教育×ドラマパートになっており、スポーツ初心者にも親しみやすく構成されています。
特に、プロを目指すヒロイン・撫子との対比が巧妙で、彼女の目指す高みが、読者にも「目標」として見えるのが秀逸です。
洗練された作画と、コマ運びによる“動き”の演出
作者・寺坂研人先生の画力も、本作の魅力のひとつといえるでしょう…!
スイングフォームや打球の描写は、単に「静止画」で済ませず、「速度感」「軌道」「打感」を想起させる描写が多く見られます!
ゴルフは「瞬間」の競技ですが、その一瞬にかける集中や気迫を、コマの密度や空間の抜き差しで表現する技術が光っています。
例として第5話、第6話での飛距離対決では、ページ全体を使って、スイング時の身体の捻り、空を切る風の流れ、ボールに伝わる衝撃を演出し、スポーツとしての「視覚的な説得力」が多分に表現されていますっ!!
まとめ
『グリーングリーングリーンズ』は、ジャンプらしからぬ題材である“ゴルフ”を、王道の青春スポーツものに落とし込み、初心者でも感情移入できる成長物語として完成度高く描き上げた作品であります!
残念ながら短期での打ち切りとなりました…🥲
やはりゴルフという題材の難しさと、主人公・珀のスポーツの金銭情報量や、迷いもせずハンデを要求したりする性格を受け入れられない読者もいたのかなといったところです…。
しかしながら、テーマ性・キャラクター性・作画演出がしっかり噛み合っておりゴルフを座題材としたマンガの新たな可能性を示した意欲作といえるのではないでしょうか…!
皆さまもぜひご一読ください!!
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