こんにちは ないしは こんばんは 臆病者のkatsuです。
今回はジャンプ＋連載時に話題となった、衝撃の問題作『タコピーの原罪』を紹介します！
作品について
概要
『タコピーの原罪』はジャンプ＋にて2021年12月10日から2022年3月25日まで連載されたサスペンスマンガ。
作者は本作の後に週刊少年ジャンプ本誌にて『一ノ瀬家の大罪』も手掛けたタイザン5先生。
コミックス全2巻（上・下巻）。全16話。
あらすじ
地球にハッピーを広めるため降り立った、他者を幸せにすることを生きがいとするハッピー星人のタコピー。助けてくれた少女・しずかの笑顔を取り戻すため奔走するが、少女を取り巻く環境は劣悪かつ壮絶であり、無垢なタコピーには想像がつかないものであった…。そんな中でも少女を救おうと行動するも良からぬ方向へ進んで行き…。
ただ笑って欲しかったタコピーが犯す罪とは…！？
『タコピーの原罪』の魅力について
近年稀にみる鬱マンガ
本作の主人公タコピーは、地球にハッピーを広めるためにやってきたハッピー星人。地球に来てお腹を空かせていたところを助けてくれた少女・しずかにお礼もかねてハッピーになってもらおうとします。
しかし、しずかはクラスメイトのまりなから日々壮絶ないじめにあっており、犬のチャッピーを唯一の心の救いとしてようやく精神を保っている状況でした。故郷の星では考えられない状況に戸惑いながらも、タコピーはしずかの置かれた状況を理解しようと懸命に考えますが、ことごとく呑気な結論に行きついてしまいます。無論、そんなタコピーの善意の行動に、状況は良くなるどころか悪化していくばかり…。
間違いなくタコピーのせいで悪化している状況にも関わらず、良かれと思ってと行動するタコピーの懸命さも伝わる読者としては、やるせない気持ちでいっぱいになり、ただただストーリーを読み進めていくしかなくなってしまいます。
また、タコピーやハッピー道具のカワイイ画と、壮絶ないじめの様子やしずかちゃんのボロボロの様子のギャップを描き分けるタイザン５先生の画力も鳥肌モノです…！
主要人物がいちいち壮絶すぎる
タコピーが地球にやってきてから出会う人物たちがいちいち壮絶すぎます…！
まず、お腹を空かせたタコピーを助けた少女・久世しずか（くぜしずか）は家庭では父親が家を出ており、夜の店で働く母親もネグレクト気味。そして学校では壮絶ないじめにあっていました。唯一の心の癒しであった愛犬のチャッピーも、いじめっ子のまりながワザと嚙まれる策略で保健所送りにしてしまい、ついにしずかの心は崩壊します。以後、焦点が合わない目で父親や愛犬に会いに行こうと奔走するしずかが思うのは、復讐心か愛か…。
一方、しずかをいじめていた雲母坂まりな（きららざかまりな）にも壮絶な家庭環境を抱えていました。実は父親がしずかの母の働く夜の店に通いだしたことをきっかけに、両親の仲および家庭が崩壊したことからしずかを逆恨みしていたのでした。そして、家庭崩壊で追い詰められた母親からも虐待を受けていたのでした…。
しずかにやけに肩入れし手助けしようとする、クラス委員の東直樹（あずまなおき）は、医者である親の元に生まれ、彼女と遊ぼうがバイトを使用が成績が優秀で出来のいい兄と比べられ続けていました。「将来は医者になる。命を預かる仕事で失敗は許されない。完璧にやらなきゃいけない。」と常にプレッシャーをかけられ続け、「完璧に、完璧に、完璧に…」と考え続けた彼の行動も、もちろん良い方向へは進まないのでした…。
彼女らが起こすいじめ、暴力、殺人、隠蔽…。もちろんどれも最悪な結果ではあるけれども、過剰なまでに壮絶に設定された環境下にあって、どこか読者が同情させられてしまうような展開に更に心がえぐられます。
まとめ
本当に近年稀にみる鬱マンガですが、なぜかどんどんと読み進めてしまう本作…。
しずかやまりな、直樹にはたしてハッピーは訪れるのか…？そして、タコピーが犯してしまった本当の原罪とは何なのか…！？
引き伸ばしなども多く見られる商業誌の中で、短期集中連載で非常に完成度の高い作品となっております！
たった16話とは思えぬ読み応え、ぜひご一読ください…！！
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